夕顔から光源氏へ返歌
「山のはの こころもしらで ゆく月は うはの空にて かげや絶えなむ」

夕顔の方は、あまりのことに、もう、上の空で、心細くて、消えてしまいそう。

このとき、光源氏17歳、夕顔19歳。
女三宮から光源氏へ
「おほかたの 秋をば憂しと 知りにしを ふりすてがたき すずむしの声」

女三宮の父、朱雀帝(院)は、光源氏にぜひにと頼み込んで結婚させる。が、
親子ほどの年齢差で、うまくいく筈もなく、やがて女三宮は、柏木の子を出産、
その罪の深さを恐れて、出家する。
八月十五夜、すずむしの声を聞く2人に、ようやくやさしい気持ちが通い合う。
光源氏から女三宮へ返歌
「心もて 草の宿りを いとへども なほすずむしの 声ぞふりせぬ」

女三宮が、出家してしまった今になって、やりなおせるものならばと思う源氏。
このとき、光源氏50歳、女三宮23歳。

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源氏物語の歌

光源氏から夕顔へ
「いにしへもかくやは人のまどひけん 我がまだ知らぬしののめの道」

おっとりとして素直な夕顔にのめりこむ源氏は、薄明のしののめに、夕顔
を誘い、荒れた廃院を訪れる。