正宗白鳥碑

正宗白鳥  「花さうび・・・」

避暑地としての軽井沢の歴史は、明治19年、イギリス人宣教師、アレクサンダー・クロフト・ショウが、この地を訪れ、その清澄な風光に魅せられたことに始まる。
ショウは、翌々年ここに山荘をかまえ、その後多くの宣教師が、軽井沢を訪れるようになり、避暑地として知られるようになっていった。宣教師たちの、簡素な生活ぶりは、避暑地軽井沢を特徴づけるもので、そのイメージは、多くの文人たちをも惹きつけた。
ショウを記念する碑が建てられている所を通り、さらに北へと落葉松林を進むと、川のほとりに室生犀星の詩碑がある。そこからちょっとわき道に入ったところに、正宗白鳥の碑が、ひっそりと凛然として、そこに在る。十字架型の碑は、白鳥がクリスチャンであった故か。
軽井沢を愛した一人の文人の生涯が凝縮されたような、「花さうび・・」。
さらりとしたその言葉に、奥に秘めたものの強さを感じる。自筆のやさしい筆跡も魅力だ。

花さうび拓本

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花さうび 花のいのちは いく年ぞ
時過ぎて たづぬれば 花はなく
あるはただ いばらのみ         白鳥

長野県軽井沢町旧軽井沢