小林一茶 「誰にやる栗や地蔵の手のひらに」
小布施町を通るローカル電車は、長野電鉄河東線。この線路沿いにある大元神社は、
いかにも、村の氏神様という鄙びた神社である、この境内に一茶の碑が2基たっている。
ひとつは、「誰にやる 栗や地蔵の 手のひらに」、もうひとつは、「おち栗や 仏も笠を
めして立つ」で、両方とも一茶らしく平易で、親しみやすい句だ。
「誰にやる・・・」の方は、一茶の自筆でなかなか面白い字なので、そちらの採拓にかかる。
ところが、暑い日だったので、画仙紙を張りつけるそばから、すぐに乾燥して浮き上がってきて
しまう。おまけに、風が吹いてきて、さらに浮き上がる。やむをえず、風よけ用のバスタオルやら
毛布やらを総動員して、悪戦苦闘の末、どうにか採り終えたのだが・・・・・家に帰って広げてみると
なんと、「手のひらに」の「に」の字が採れていない! 疲労。
同じ神社の境内にある、もうひとつの一茶の碑
「おち栗や 仏も笠を めしてたつ」
うしろは、電車の線路。
すぐそばに、こんな面白い石像が・・・
誰にやる 栗や地蔵の
てのひらに
小布施林を通りて 一茶
拓本写真提供 Nさん
長野県上高井郡小布施町大元神社境内