北原白秋 「観音のこの大前に奉る・・・」
長野県上田市別所温泉北向観音堂境内
別所温泉は、上田市の西端に位置する温泉。温泉としての歴史は長く、その由緒に大和武尊
が登場することからも、おおむかし、ということになろう。旅館、ホテルが所せましと、建ち並び、
浴衣姿の泊り客が、下駄をはいて歩いている。
この温泉街の中心的存在が、北向観音堂である。観音堂が北を向いているのは珍しいことだそうで、
善光寺が南を向いているので、向かい合った両寺を参詣すると、御利益があるとか。
この碑は、北原白秋が、北向観音堂に参詣した折に詠んだ歌を記念して建てられた。ペン字を拡大
して刻字したということで、細い線彫りであるが、おおらかな字からは、白秋の豊かさが伝わってくる。
レリーフの白秋は、微笑んでいるようだ。
観音のこの大前に奉る
絵馬は信濃の春風の駒
北原白秋