御衣黄の花。
咲き始めは緑いろ、次第に
花の中央がピンク色になる。

島木赤彦 「7月に入りて雪ある遠き山・・・・」 

長野県東御市 法善寺

長野県の東信にある東御市は、東部町と北御牧村とが合併して誕生した。「とうみし」と読む。国道18号線に平行して、北国街道が通っている。海野宿と呼ばれる宿場の街並みが、いまもそのまま残されていて、東御市の観光スポットとなっている。
その海野宿と国道をはさんで向かい側にある法善寺。楚々としてどことなく奥ゆかしいお寺だ。
赤彦は、この地に万葉集の講義に訪れた際、法善寺に泊まり、この歌を詠んだという。7月に雪が残る山とは、東御市から西方を望む北アルプスのことだろうか?
歌碑の傍らに「御衣黄」という名の、薄緑色の桜の木がある。目立たないが、名の通り「帝の衣の黄」は、
みやびな王朝貴族を偲ばせる。

法善寺山門

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7月に入りて雪ある遠き山
山門外に出立ち見れば
法善寺にて    赤彦