岡 麓 「わき水の浅井のそこの見え透きて・・・・」
おか ふもと
長野県 北安曇郡 池田町 会染
長野県、安曇野といえば北アルプス連峰のふもとに広がるのどかな田園地帯。池田町は安曇野の中核に位置する。アララギの歌人、岡麓は東京で被災し池田町に疎開し、この地で終焉を迎えた。池田町では「岡麓終焉の家」を町の文化財として保存している。質素な小さな家であるが、歌人として、書家として、教育者として生きた様子が偲ばれる。
その家の敷地内に建てられているのがこの碑である。正統派の書家であった岡麓の、優美な仮名が美しい。
岡麓は晩年、自らの病苦にくわえて、妻の死、娘の死という不幸の中でも、歌を詠みつづけた。
「妻も子も いづこ行きけむ とらへ来て 蛍を見せつ すべなきは孫」