若山牧水 「秋風の空晴れぬれば千曲川・・・・」

千曲川は、長野県の東北信を流れる川。長野、埼玉山梨の県境にある甲武信岳に発し、佐久盆地、上田盆地とながれ、長野盆地で犀川と合流し、飯山盆地を経て新潟県に入り、信濃川と呼ばれる、信濃川は新潟市で日本海に注ぐ日本一の長流である。千曲市は上田市と長野市の中間に位置する市で、このあたりの千曲川はゆったりと川幅も広く、景観も美しい。
万葉集に「信濃なる千曲の川のさざれ石も君し踏みてば玉とひろはむ」と詠まれたことから、「万葉橋」という橋がある。その橋の堤防に沿うようにつくられたのが「万葉公園」。ここに数多くの歌碑、句碑が建てられ散策のひとを楽しませてくれる。この碑もその中のひとつ。
若山牧水は、宮崎県生まれ。早稲田大学英文科卒。尾上紫舟門下。旅と酒を愛し、おおらかで平明な哥を詠んだ。
「秋風の空晴れぬれば千曲川白き河原に出て遊ぶかな」・・・・・白き河原とは、秋風のイメージであり、晴れると遊ぶ
という語が千曲川の美しさを際立たせている。達筆で遊びごころにあふれた牧水の字、その懐かしさに魅かれる。

秋風の空
晴れぬれば
千曲川
白き河原に
出てあそぶ
かな   牧水

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長野県千曲市上山田、千曲川万葉公園