相馬御風 「ゆく水のすゑとほとほしみすずかる
信濃たかはら秋深みかも」
ゆくみづの
すゑとほと
ほしみすず
かるしなの
たかはらあき
ふかみ
かも 御風
遊久美都の
春恵とほ登
ほ志美須々
可る志な能
多かはらあ起
布可美
閑毛 御風
長野市 歌ヶ丘(善光寺北)
長野市善光寺の北側は、まがりくねったゆるやかな坂道で、上るにつれて長野市が一望できる。桜のころ、新緑のころ、景観を楽しむ家族ずれで賑わう。その坂道の途中に「歌が丘」とよばれる歌碑群がある。その中でもひときわ大きく目を引くのがこの相馬御風の歌碑である。
堂々とした大きな字がゆったりとした筆致で書かれていて、仮名文字でなければ伝わらない大和言葉のここちよさ、というようなものがあふれ出てくるように感じる。
相馬御風は、新潟県出身。明治、大正、昭和を生きた詩人であり、評論家。早稲田大学卒。三木露風、野口雨情らとともに「早稲田詩社」を興し、自然主義を提唱した。良寛の研究家としても知られる。