特許および研究成果

特許庁HPから引用

研究成果

 T 歯科計測システム
 
1.咬合力計

(株)長野計器
谷口歯科医院(長野市)谷口威夫院長との共同研究成果
 特許第450507号 
 発明の名称
 咬合力計
 
出願人 (株)長野計器 
 発明者 坂口正雄 吉池純一 鶴田浩昭 
 出願番号平成07年特願086138号


 2.歯ぎしり診断装置
谷口歯科医院(長野市)谷口威夫院長との共同研究成果
 
特願平6−133555 
 
出願人 坂口正雄
 
発明の名称 無線方式筋電位長時間記録装置 
 発明者 坂口正雄 谷口威夫 前沢栄 

学会発表

側頭筋電位を指標にした噛み締め、  歯ぎしりの計測

国立長野高専名誉教授 坂口正雄   
(株)西澤電機計器製作所 百瀬英哉    
    谷口歯科医院・院長 谷口威夫            信州大学医学部・医学部長 大橋俊夫

要 旨歯やあごなどのそしゃく系の機能維持は歯と健康の重要な因子である。最近、睡眠中の非生理的な咬合力、すなわち、噛み締めや歯ぎしりが歯肉炎、歯槽膿漏、顎関節痛、開口障害、更には睡眠障害、頭痛、肩こり、腰痛など睡眠と身体のさまざまな障害の原因となる可能性が示唆されてきた。また、ストレスの指標として精神科領域でも注目されてきた。
本報告は、側頭筋電位を指標に睡眠中の噛み締め、歯ぎしりを計測した結果について述べる。

計測自動制御学会中部支部シンポジウム2006講演論文集(2006.11.10)から抜粋



    咬合力計



    歯ぎしり診断装置のブロック図







 睡眠時の側頭筋電位、呼吸、発汗量の記録








U 運動療法指導・
      自己管理装置


1.心拍数記録型適正運動量指示装置
  

平成10〜11年度科学研究費補助金による開発


特許 第3421738
特願 2000−030295

発明の名称 心拍数記録型適正運動量指示装置
発明者 坂口正雄
出願人 長野工業高等専門学校

【要約】運動者に装着される心拍検出器により安静時および運動中の心拍数を検出後、マイコンに供給し、マイコンにおいて年齢および安静時心拍数をカルボーネンの式に代入して適正運動量相当の心拍数を計算し、さらに、どの程度の運動強度で運動を実施するかの係数・トレーニングレシオを加味して求まる上下限の心拍数において、運動中の心拍数が上下限の範囲内の適正状態では1秒毎にブザー音、上限を超えた状態では2秒毎のブザー音、下限を下回る状態では0.5秒毎のブザー音をあらかじめ設定した運動時間鳴動指示する適正運動量指示装置にあって、
 @心拍数をメモリーカードに記録し、メモリーカードの心拍データを市販のパソコン上でデータ参照、加工できる。
 A運動前の安静時心拍数をマイコンにより自動的に演算・設定できる。
 B適正運動量の上下限心拍数を運動者が任意に設定できる。
 C適正運動量範囲の運動か否かのブザー音を運動者の耳に細チューブにより形成した空気回路を介して伝達できる。




適正運動量指示装置概観写真





運動強度と心拍数,歩数,消費カロリーの関係

2.運動療法自己管理装置*
運動療法指導・自己管理装置**


*平成13〜15年度科学研究費補助金による開発 特開 2004−321585
発明の名称 運動療法指導管理装置
発明者 坂口正雄
出願人 (独)国立高専機構


**平成16〜17年度科学研究費補助金による開発


生活習慣病運動療法指導管理装置          の開発

        坂口正雄、大橋俊夫ほか

           運動療法指導管理装置

 運動療法指導管理装置(Heart Walk)はスイッチ回路から被験者氏名、生年月日、体重、安静時心拍数、医師あるいは自分で指定した運動強度等を液晶画面と対話的に入力する。日常行動開始時にディスポの心電図電極を前胸部に貼付し、日時の設定・確認後、装置を腰部に装着する。団欒、入浴等の安静時は、データをパーソナルコンピュータへ取り込む、リチウム電池の充電を行うなど、睡眠中は装着しない。
          日常生活下の運動記録

起床後から1日の動的行動が終了するまでMMCメモリーカードに記録された日常生活下の運動データをパーソナルコンピュータにより解析した。図は運動強度の設定を変化させて記録した2003年12月における1日毎の全歩数、適正運動歩数、過剰運動歩数、適正心拍時間、適正歩数時間、過剰歩数時間、平均心拍数の変化を専用ソフトにより解析した1ヶ月間のデータ集積結果である。

参考文献
[1] 坂口正雄他:携帯型適正運動量指示装置の開発,医用電子と生体工学,第38巻,3号,55/58(2000)
[2] 出願人長野高専校長,発明者坂口正雄:特願2003‐30295「運動療法指導管理装置」,(2003)
[3] 坂口正雄他:心拍数を指標にした運動療法指導管理装置第18回生体・生理工学シンポジウム論文集,141/142(2003)

             日本ME学会大会(2004)にて発表




  運動療法指導管理装置

参考
  カルボーネンの式を変形した適正運動量計算式
HRTR(H)=(HRmax−HRR)×0.8×α+HRR HRTR(L)=(HRmax− HRR)×0.6×α+HRR  HRTR(H):トレーニング心拍数(適正運動)上限HRTR(L):トレーニング心拍数(適正運動)下限
HRmax  :最大心拍数 (220-年齢)

HRR  :安静時心拍数
α  :トレーニングレシオ(運動強度) 










運動療法指導・自己管理装置の概観写真
 V 光学的水分(発汗)量の計測

1.光学的皮膚水分計

特開2004−105446 
出願人 坂口正雄ほか
発明の名称 皮下水分・皮膚蒸散水分同時計測器

発明者 坂口正雄ほか
 

学会発表

光学的皮膚水分計の開発
 
坂口正雄、大橋俊夫ほか

1.   じめに 

我々は、皮膚面に置いたカプセルの内部空間の上方から皮膚表面に水分子吸収波長と吸収されない波長の2種の単色光を照射してその反射光を受光後、各波長における反射吸光度の比較から皮下の水分量が計測できる光学的皮膚水分計を開発した。

   2.  学的皮膚水分計の概要

 光学的皮膚水分計のブロック図を図1に示す。カプセルを皮膚上に設置し、カプセルの内部空間の天井部には水分を吸収する波長(1.45μm)と吸収しない波長(1.3μm)の光素子(LED)2種の波長の帯域幅をカバーする受光素子(フォトダイオード)が設置されている。マルチバイブレータで構成した発振器から発生する10kHzの方形波は、波形整形器を経た後、その半周期は1.3μm LEDを、後半周期は1.45μm LEDをトランジスタスイッチからなるLED駆動回路を介して交互に発光させる。フォトダイオードにより受光された2種の波長の反射光はカプセル背面に設置されたフォトデテクターによるインピーダンス変換後、6dBの増幅器を経てLEDの駆動信号に同期して作動するアナログスイッチ(離回路)に供給される。分離回路において水分を吸収する波長と吸収しない波長の出力信号成分に分離し、その後低域フィルタにより直流化する。フィルタ出力は、マイコンに供給され、両者の比が演算されて皮膚水分量が求まる。マイコンデータはコンパクトフラッシュメモリー(32M128Mbyte)に保存できるため、外部のパーソナルコンピュータ上でのデータ解析が容易に行える。なお、メモリーには他の8チャネルまでのデータが保存可能である。

     3.マンシェット加圧時の前腕部水分量変化   

図2は、左上腕部にマンシェットを用いて加圧負荷を加えた際の前腕部における血液が関与していると思われる水分量の測定結果である。40mmHg付近から静脈血のうっ血が惹起し、130mmHgほどで動脈血流が停止して装置出力は飽和する。230mmHgから減圧していくと120mmHg付近から動脈流が復活して再び装置出力が上昇した後、対照レベルに戻っていく。

参考文献
1)坂口他:発汗学, 9, 2,61-64(2002)
2)坂口他:信学技報,BME2002-42,9-12(2002)

日本発汗学会総会、日本ME学会大会(2003)にて発表

    
    図1光学的皮膚水分計のブロック図


  

 図2 マンシェット加圧時の前腕部水分量の変化