no.352        御岳海3度目の賜杯    2022.01.24

 

 初日、宇良を押し出しに破った御岳海は、2日目逸ノ城、3日目若隆景を寄り切りで破り、好調なスタートを切った。そして明星、霧馬山、遠藤、玉鷲そして八日目に大栄翔を押し出しで破り、8日目で勝ち越しを決めた。8日で勝ち越したのは、ただ一人御岳海だけで、照ノ富士、も阿炎も負けが一つあり、7勝で御岳海を追う展開であった。

 

そばで、テレビを見ている妻が言う「ここまでは、いつも調子がいいのよ、だけど後半戦は取りこぼしが多くてね」と。

俺も「確かに、後半戦になると取りこぼしが多い」と、頷くと、テレビ解説者の舞の海関も、同じように「後半戦の取りこぼしがもったいないので今場所は、頑張ってほしい」と言っていた。

 

何故、御岳海は後半戦では、取りこぼしが多いのだろうか。妻と二人で考えた

後半戦はやはり疲れが溜まってくるのだろうか、。

日頃から御岳海は稽古不足と言われているからスタミナがないのでは・・・・・・

負ける時は、あっさり負け過ぎる。ヤル気が無いのでは・・・・・。

怪我を恐れるあまり、全力を出していないのでは・・・。顔から落ちたと言う負け試合は見た事は無い。

そういえば、そんなに気概とか、気迫を感ずる力士ではない。

本人も言っていたが、心が優しすぎると言っている。でも試合の時は鬼にならなければ・・・・

 

9日目に隠岐の海との対戦では、寄り切りで勝ったものの、10日目は北勝富士の気迫に負けたのだろうか、押し出しで負けてしまった。北勝富士はここまで元気なく3勝6負なので、余裕で勝てると思っていたが、押して押して押しまくる取り口ではなく、押しても力負けしたので身体を引いてしまった。この身体を引いたのがいけなかった、そのままずるずると押し出されてしまった。
油断なのか、気迫に負けたのか、またいつもの負け癖がでたのだろうか、気力なくずるずると押し出されてしまった。

11目は、大関正代とぶつかり、いつもの御岳海らしい押しの一手で勝利したが12日目の阿武咲には立ち合いで身体を変されて、一瞬で引き落としで負けてしまった。

13日目は12勝2敗同士の御岳海と阿炎の対戦に勝利し14日目は宝富士と対戦し送り出しで単独トップとなった。

 

千秋楽の取り組みは横綱照ノ富士との戦いであったが、照ノ富士は足のかかとを痛めているとの情報が入ってきた。先日の明星との戦いで土俵より飛び降りた負けし合いがあり、足を痛めたかもしれない。しかし横綱「痛いとは一言もいわず、だいじょうぶです」の一点張り、体重200キロが足のかかとに掛かるのであり心配である。

その照ノ富士との対戦は、やはり足が痛いのかすんなりと決着がついた。

「わっ」と盛り上がる国技館であったが、俺はちょっと複雑であった。本当の真剣勝負をしてほしかったのに、相手が怪我をしているらしい ??? 、怪我をしている照ノ富士に勝っても、御岳海も面白くないだろう。

でも「大丈夫です」と言って土俵に上がったのだから、本当に大丈夫だったのかも知れない。それなら価値ある一勝である。

 

おめでとう、御岳海久嗣関

 
 
     


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